4月24日、秋田市の街中は桜が満開ですが、山も春爛漫です。珍しいシラネアオイの白い花を見つけました。薄紫の花びらが普通で、白は突然変異のようです。どちらもきれいですが、白いと一段とたおやかです。シドケも出てきました。秋田では人気の山菜で「山菜の女王」と呼ばれていますが、アイコやコシアブラを山菜の女王と言う人もいます。人それぞれですね。
サシボ
昨日ホンナを発見した後、近くで美味しそうなサシボを見つけました。直前にサシボのご注文が入ったとの連絡があったので喜び勇んで採取しました。
サシボはイタドリの若芽のことで、ヌメリとほのかな酸味が特徴です。茹でても揚げても焼いても美味しく食べられます。酸味を生かして酢の物にしてもいいのですが、天ぷらが意外といけます。タラノメのようなホクホク感はないものの酸味が薄れ、振り塩をして食べるとタラノメに負けないくらい美味です。古来、秋田の県南、本荘・由利地方でよく食べられた山菜だということですが、今ではクックパッドにレシピが載るほどポピュラーな山菜になりました。
場所や日の当たり具合にもよりますが、7月に雪渓の側で採ったこともあり、意外と時期の長い山菜といえるかもしれません。
ホンナを発見
ニリンソウの花が咲き始めると山菜が次々と生えてくると言われる通り、4月17日、今年初めてホンナを発見。別名ヨブスマソウ(夜衾草)といわれるのは何故か調べてみたところ、ヨブスマ(夜衾=昔の掛け布団のようなもの)はムササビやコウモリを指すどこかの方言だという説や、「ムササビ」の古名だという説もありました。確かにホンナの葉の形はムササビやコウモリを思わせないでもありません。一方ホンナという名前は、茎が空洞になっているため折ると「ホンナ」とか「ポンナ」という音がすることから付いたようです。
ホンナは山菜御三家(シドケ、アイコ、ホンナ)の中では一番香りにクセがあり、苦みも若干あります。生なら天ぷらや炒め物に、茹でてはおひたしや和え物に、と特別な下処理なしにいろいろな料理が可能です。元々、北日本で食べられてきた山菜ですが、最近はその独特な美味しさが関東以西にも知られつつあるようです。もっともっと多くの人にホンナだけでなく山菜の魅力を知ってもらいたいものです。
ニリンソウ
4月10日、山でニリンソウの群生に出会いました。一本の茎から花が二輪つくことから付けられた名前ですが、実際は一輪だったり三輪だったりします。若芽の頃は葉っぱが猛毒をもつトリカブトに似ていますが、トリカブトは成長につれて茎が立ち上がるのに対し、ニリンソウは丈は伸びません。花もトリカブトは秋に青紫の花をつけますが、ニリンソウは春先に白い小さな花が咲きます。なので間違えるのは花芽がつく前の一時期だけですが、それでも混じりあって生えていることが多いので、ニリンソウを食用に採取する場合は細心の注意が必要です。もっともニリンソウ自体にも毒(アク程度らしいですが)が含まれているので、茹でこぼして水にさらすなどの手間が必要なのだとか。可憐な花の鑑賞にとどめておくのが無難ですね。
タラノメとコゴミ
4月7日、8日と続けて山に入りました。タラノメを見つけましたが、採るにはまだ早い。あと1週間くらいでしょう。
この日は肌寒く、コゴミは見るからに寒そうに寄り添って生えていました。これは青コゴミ。クサソテツの若芽で、群生します。赤コゴミの方はキヨタキシダの若芽で、別名イッポンコゴミの名の通り群生せず一本ずつ生えます。なので量を採取するのが難しく珍重されます。どちらもアクもクセもないので下処理の必要がなく独特のヌメリがありますが、どちらかというと赤コゴミの方がより柔らかく美味しい・・・かな?